「夜中に何度も目が覚める」「眠りが浅く、朝スッキリしない」——更年期に入ると、こうした睡眠の悩みを抱える女性が増えます。更年期の不眠は、ホルモンバランスの変化が大きく影響しています。しかし、生活習慣の工夫やアロマの力を活用することで、ぐっすり眠れるようになる可能性があります。この記事では、更年期の不眠対策として効果的な生活習慣の改善方法と、リラックス効果の高いアロマについて紹介していきます。

この記事は、こんな方におすすめ!
・寝ても夜中に起きてしまう
・特に更年期の不眠症状で悩んでいる
・毎日の眠りを深くしたい
・心身をリラックスさせたい
更年期不眠の原因とは?
すでに更年期の不眠で悩まされている人も多いかもしれません。睡眠は人間の3大欲求の一つ。歳とともに体力も衰えを感じることも増えてきて、不眠になるのはとても辛いですよね。
そもそも、なぜ不眠になるのか。原因を一緒にみていきましょう。
1 女性ホルモン(エストロゲン)の減少
女性はホルモンの影響を強く受けながら生きています。エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減ると、自律神経が乱れやすくなり、寝つきが悪くなったり、中途覚醒が増えたりします。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は、女性ホルモンの一種で、女性らしい体づくりや生殖機能の維持に重要な役割を果たしています。
・血管や骨を健康な状態に保つ
・乳房や子宮、膣の発育を促す
・身長や体重の増加に役立つ
・肌を美しくしたり、ハリやつやを保つ
・コラーゲンの生成を促進する
・子宮内膜を増殖させて妊娠の準備を整える
・骨密度を保つ
・脳や自律神経にも働きかける
・LDLコレステロールの低下に関与
思春期になると分泌が急激に高まり初経を迎え、月経周期に伴って毎月変化を繰り返します。
20代でピークを迎え、その状態がしばらく続きますが、更年期になると徐々に分泌量は低下していきます。
閉経を迎えると急激に低下して欠乏状態になります。
エストロゲンが欠乏すると・・・さまざまな症状や障害や病気が発症することがあることがわかってきています。
2 自律神経の乱れ
自律神経とは、自分の意志とは関係なく体の働きをコントロールしている神経です。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。
- 交感神経(こうかんしんけい)
- 「活動モード」の神経
- 仕事や運動をするとき
- 心拍数を上げる・血圧を高める・集中力を高める
- 副交神経感(ふくこうかんしんけい)
- 「リラックスモード」の神経
- 休の回復を高める
- 心に安らぎを与える・睡眠の質を高める
更年期には交感神経が優位になりがちなので、リラックスしづらくなります。
その結果、眠りが浅くなる傾向にあります。
自律神経は、唯一「呼吸」によってコントロールすることが可能です。
呼吸法を活用することで、自律神経のバランスを整えられる可能性は高いです。
3 体温調節機能の低下
エストロゲンの減少に伴い、視床下部の機能が不安定になり、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることで、上半身ののぼせ、ほてり、発汗などが起こる「ホットフラッシュ」や寝汗によって、寝苦しさを感じ、途中で目が覚めることが増えます。
ホットフラッシュは、ほかの更年期症状と同じく、女性ホルモンの分泌が急激に減ることで、自律神経のバランスが崩れることが原因です。女性ホルモンは、卵巣から分泌されていますが、更年期になると、卵巣からホルモンが分泌されなくなります。
4 ストレスや不安
更年期は、エストロゲンの減少に伴って自律神経が乱れやすく、心身の変化が大きく、心的にも肉体的にもストレスや不安を感じて、眠れなくなることがあります。
更年期の不眠を改善する生活習慣
1 規則正しい生活リズムを作る
- 毎日同じ時間に寝起きする(体内時計を整える)
- 朝日を浴びる(メラトニンの分泌を促す)
- 日中に軽い運動をする(適度な疲労感で寝つきを良くする)
2 寝る前のリラックス習慣
- ぬるめのお風呂に入る(副交感神経を優位にする)
- ストレッチや深呼吸をする(心身を落ち着かせる)
- スマホ・PCを寝る1時間前にやめる(ブルーライトを避ける)
3 食事で睡眠の質を高める
- トリプトファンを含む食材を摂る(バナナ、ナッツ、大豆製品)
- カフェイン・アルコールを控える(交感神経を刺激しない)
- 夜遅い食事を避ける(胃腸の負担を減らし、熟睡を促す)
4 快適な睡眠環境を整える
- 寝室の温度と湿度を適切に保つ(夏は26℃前後、冬は20℃前後)
- 寝具を見直す(通気性の良い布団・枕を選ぶ)
- 静かで暗い環境を作る(アイマスクや耳栓を活用)
ぐっすり眠れるアロマ活用法
アロマは自律神経を整え、リラックスを促す効果があります。
特に、以下の精油が更年期の不眠に有効的と言われてます。
1 ラベンダー
リラックス効果がとても高いので、副交感神経を優位にし気分を安定させてくれるます。
不眠に優れた効果を発揮し良質な睡眠へと誘ってくれます。
<香り>
フローラル系:柔らかいお花の香りとハーブの爽やかさを併せ持つ香り
2 カモミール・ローマン
緊張緩和に非常に優れ、鎮静作用もあるため、リラックスしたい時に。
<香り>
フローラル系:リンゴのようなフルーティーな香り
3 サンダルウッド
サンダルウッドは日本名で「白檀(ビャクダン)」。
香道の世界では、良く使用されています。(扇子や薬用、香料用、仏像や仏具、建築etc…)
深く心を鎮めてリラックスさせてくれるため、緊張や不安を感じたときや、心地良く眠りたいときに。
<香り>
オリエンタル系:ウッディで甘くエキゾチックな香り
4 オレンジスイート
ネガティブな感情や緊張を一掃。
心をほぐし、新しい空気を心身に送り込んで、前向きな気持ちに導きます。
<香り>
柑橘系:ちょっとビターで、爽やかな甘さのあるオレンジの香り
アロマの使い方
- アロマディフューザーで寝室に香りを広げる
- お風呂に数滴垂らしてリラックスバスタイム
- 枕に1滴垂らして、香りとともに入眠
- アロママッサージオイルを使い、リラックス時間を作る
あなたに合った使い方をチョイスしてみてください。
まとめ
更年期の不眠は、ホルモンバランスの変化やストレスが影響していますが、生活習慣の改善とアロマの活用で、眠りの質を向上させることができます。
\ 今日からできる不眠対策 /
- 規則正しい生活リズムを作る
- 寝る前のリラックス習慣を取り入れる
- 食事で睡眠の質を高める
- 快適な寝室環境を整える
- アロマの力を活用する
毎日の習慣を少しずつ見直し、対策をすることで、更年期の不眠を改善し、心地よい眠りを取り戻していきましょう。